私は親に褒められた記憶がない。大好きとか愛してると言われた記憶もない。抱きしめられた記憶もない。
もちろん記憶にない赤ちゃんの頃はたくさん抱っこしてもらっただろうし可愛がられていたのだろう。だけど幼少期からそんなことはまずなかった。
日本に暮らす日本人はスキンシップをあまりしない人が多いし、愛情を言葉にして伝えることも少ないと思う。
愛情表現をする
アメリカの夫の両親はハグやキスしたり、お義父さんは大人になった息子と手を繋いだりもする。会っていても電話でも I love youの言葉は欠かさない。
私は幼い頃からアメリカ映画が好きで、家でも一人で観ていた。映画で観るアメリカの家庭はまるで異世界だった。両親が離婚している場合も多いが、親や兄弟、友達同士でも愛情表現をしていることが驚きだった。
子供の頃、大好きな人に大好きと言わないままその人は帰らぬ人になった。
何よりも後悔した。なんで大好きって言わなかったんだろう。なんでそんな簡単なことが言えなかったんだろう。もう言ったって届かないのに。
今、私は子供には毎日大好きよ。 I love you. と伝えている。ハグを何度もしてたくさん話をする。あまりにもたくさんいうのでしつこいかな?と思って時々嫌じゃないか尋ねてみる。娘は決まって「嫌じゃないよ。嬉しい。」と返す。
それがいつまで受け入れてくれるのかはわからないが、ウザがられる時が来ても私は言い続ける。伝えることをやめてしまったら愛されていないと感じることがあるかもしれないから。それとただ私が愛する気持ちを抑えられないというのもあるけれど。
親や身近な大人の愛情表現
夫はいつも私に愛の言葉をくれる。毎日、何度もくれる。毎日ハグをしてキスをして見つめ合う。スキンシップを常に求めてくる。
そのおかげで私はいつでも愛されているという安心感に包まれる。私が子供の頃から求めていたのはこういうことなんじゃないかと日々感じる。
そして娘が私たちのその姿を見て、愛情表現が恥ずかしいことだったり煩わしことだと感じていないことがわかる。親じゃなかったとしてもそういう愛情表現が身近にあるかないかでは感じ方がかなり変わってくると思う。
子供が生まれるまで夫婦仲良しでいつもスキンシップをしていたという友人は、子供の前では夫婦のスキンシップはなくなったという。
夫婦仲が悪くなったわけではないが、なんとなく気恥ずかしいらしい。
私たち夫婦は全く恥ずかしいと思わないので子供の前でベタベタしているのだけれど、子供にとってもそれが当たり前になっているので逆に全くベタベタしない祖父母に対して3歳の娘は疑問を持っている。
なんで好きって言わないの?なんで手を繋いで歩かないの?
祖父母に直接聞いても答えてもらうことができず3歳児は不思議に思っている。
ある日3歳児は祖母に向かって「じいじに好きよって言ってあげるのよ。」と言っていました。
言わなくても伝わる、でいいのか
よく日本では言われている「言葉にしなくても伝わる」。
確かに強い気持ち、例えば情熱的に恋をしている人なんかはすぐにわかりますよね。母親が赤ちゃんを抱いているときの優しい眼差しとか、愛があふれていて周りにもそれが見えると思います。
だけどなんでもいつでもは伝わりません。
大人になればいつも好き好き言っていなくても、喧嘩をしたときでさえ土台に愛があるとわかるでしょうが、子供はそうはいかないと思うのです。
叱られたから嫌われたんじゃないか。
機嫌が悪いのは私を好きじゃないからなんじゃないか。
そう感じてしまうことがあるのではないかと思います。
私は子供を叱った後に抱きしめて大好きだということを伝えます。
私が子供の頃にそうして欲しかったから必ずします。
突き放されたままだとやはり愛されていないと感じてしまうと思うのです。
言葉にしなくても伝わる、は大人同士の穏やかな愛情に使うことにして、子供には惜しみなく愛情表現をしていこうと思います。